怒りが作り上げられる@列車事故
痛ましい事故が起きました。それはもう大惨事で、発生から数日のニュースは正視するのがつらい出来事でした。
・・・。あれから1週間が過ぎて、テレビからはみ出る、映像、発言に私は実に嫌な気分になっている。それはこの事故自体と同じぐらい怖いことのように感じる。
ボーリング大会があったとかなんとかで、記者が怒鳴る。JR西日本を弁護するつもりは毛頭無い。リスクマネジメント能力とモラルの低さには唖然とする。
んだけどさ。
管理職はともかく、イチ社員の非番の日の行動をそこまで叩くのはどーなのよ?
うつむいたJRの社員を罵倒する映像を見たって被害者や遺族は救われない。
ニュースショーの演出のネタに困った放送作家か、それを許す視聴者なら、下卑な快感を得るのかもしれない。
繰り返し繰り返し悲惨なVTRと無責任で冗長なコメントによって「怒り」は正当化されて増幅される。
「怒り」だから、問題解決をしなくてもいい気分になるのだろうか?
だけど、不毛で問題の解決とはおよそ関係のないバッシングはただの苛め根性なんだけどな。
そうそう、これってどっかで見たのよね、去年の今頃「自己責任!」とか言って騒いだのを思い出すのよね。そら恐ろしい思考停止・・・。
昔、「テレビばっかり見てるとバカになる!」と言われたものだが、ただのバカならまだ良いほうで、真実を煙に巻くノイジーなバカになってしまうんじゃないかと・・・暗い気分になる。
頭は帽子の台じゃないぞー。あぁ、頭が痛い。(偏頭痛)
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Comments
確かに、宴会とかゴルフコンペとか、非番時の行動に絞ってほじくり返しているような印象受けますねぇ。(私は妻が見ているテレビの前から離れて、別室でPCいじったり本読んだりしていることが多いので細かくは知りませんが。)
単にそれが調べやすいからじゃないでしょうか。楽して稼ごう、ってところかと。
事故原因・責任の所在の科学的な解明には時間が掛かりそうで、それを踏まえて責任者を叩こうと思っても、その時には、あれほど悲惨な事故ですらネタとしての鮮度は薄れていそうです。それまで待ってはいられない、こちとら今が稼ぎ時、ということ。
私たちは、スケープゴート叩きが3度のゴハンより好きな民度 (シンタローさんがお好きなコトバ) に見合ったメディアを持っている、ということかもしれません。
まぁ、そういう民度で自粛好きの国で大量にネタを提供する組織体は確かに脇が甘いと思いますが、ほんとに大事なのは事故原因の究明とか補償問題の処理でしょう。そっちを継続的にフォローするメディアがどれだけあることやら。
Posted by: にゃん | 2005.05.08 02:58 AM
にゃんさんどもーです
作為的に増幅された、熱狂の中で問題解決がふっとんでしまう恐ろしさと、安易な熱狂をよしとする風潮がそら寒くなります・・・。
ネタはお笑いの皆さんがやってくれるだけでいいのにねー。
ふぅ。
Posted by: akizo | 2005.05.08 12:20 PM
この事故に関する多くのブログで、初めて共感できる文章を見つけました。当事者が感情的になるのはやむを得ない事ですが、周囲の「それみたことか」という下卑た煽りは、お祭り気分と大差ないと思います。
Posted by: LUKE | 2005.05.10 04:33 PM
とにかく連休中のマスコミ報道に辟易していたところに、昨日イラクで日本人が人質になったというニュースが入ってきて、また家族が強引な?記者会見をさせられているのを見て、たまっていたマスコミのあり方についての考えをちょっとまとめてみたわ。
感情をあおる本質からはずれた報道はそろそろいい加減にして欲しいね....。
Posted by: K's | 2005.05.12 12:45 AM