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2006.05.31

モノローグ・町並みの記憶

 学者なんてのはカタワなんだから。と祖父は言った。

 彼の住処周辺は何故だか同業者が多く、ブロック毎にジャンル分けまで出来そうな有様で、人文ブロックに住んでいた。
 その家をつぶすとき、周囲に生活する人は少なく、二つ向こうのお宅にフランス文学者の妻が一人で暮らしているだけだった。

 古い家が昔から好きで、戦災を逃れたその家は私の理想の家だった。絵図は、絵図らに限っては。えぇ、見た目だけ。

 結局、親子二代にわたってかけられた呪いは、この町から出たのだとぼんやり気が付く。近しい偉大な人が、近しい人を幸せにするとは限らない。偉大であるだけで、それだけで、脅威になる。圧力になる。

 久しぶりに、その町並みを見て驚いたけど、なにかが解けた気がした。

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