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2006.08.14

生者の通過儀礼あるいは死ぬ儀式

 世間は お盆 だそーだが、相方のパパが亡くなったので、迎える儀式ではなくて送る儀式をしておりました。
 親族にとっては、儀式が終わったら次は諸々の事務処理、それが終わってほっとしてやっと感情の処理に入れるのだろーか・・・とあきれるほど怒濤の数日間でありました。

 パパは陽気な絵描きさん。70歳を超えても一人であっちゃこっちゃに出かけていく精力的な人でした。 
3年前に脳腫瘍が見つかって、その後2回手術をした。この後の事を思い出すのはちと辛いので割愛。

 先週水曜日に成った頃連絡が入る。相方は翌朝初の新幹線で大阪に向かう。台風が来ていたから飛行機は避けた。私は、早めに出社して仕事の引き継ぎをして1時頃の新幹線に乗る。東京駅はやたらと混んでいて、チケットを買うのに30分待たされる。
 パパの亡骸、相方の妹さん、親戚方がいらしていて、不詳の長男の嫁は下手な挨拶をする。死の衝撃はお葬式への準備で吹き飛ばされる。風習、習慣ってのが、町一つで違うのだ。「この辺」の切り方を間違えると失敗してしまう。そう、残された人たちがいかに快適に過ごせるようにするかが一番重要。
 時節柄お寺さんがお忙しいそうでお通夜は二日後と決まる。二日間どーするんだろ?と呑気に思ったのも数秒、お花の手配、通夜ぶるまいに、精進上げの手配、関係各位への連絡・・・などなど。ガテン事務系のアタクシで出来る事は全部引き受ける気概で動くものの、オウチのことに関してはさっぱり分からず、手際が悪いったら無い。
  親戚方は焼香順を決めるのに難渋している。メモには巨大なファミリーツリーが書かれている。

 入籍をしていない私は、結婚して「出て行った」妹さんより焼香順が「早い」。(ーー;

 宗教を問われて「無宗教なんです」と答える。コレがすこぶる評判が悪い(^^;。祖父、祖母は無宗教の葬式であったし、おそらく父親もそーなるであろう。母親はよくわからない人だから、臨済宗(母方の宗教・・・いや近所に禅宗が無かったからごまかしたという噂も・・・)で葬式をしそーではあるが。まーしかし、祖父の兄弟には、戦前にキリストの花嫁としてバチカンで働いていたとゆー強者も居る。(その強者は帰国して恋をしてキリストの花嫁を辞めて結婚して、夫が亡くなって出家した)かくいうアタクシは、未だに聖書の呪縛から離れられないトコロがあって、どうにもその辺不器用なんだけど。仏教も最近好きよ。仏教チャットで語り合えるぐらい(爆)座禅でも組みにいこうかと真剣に考えているし、その昔は年越し座禅とかさせられたものだ・・・が。
 http://www.tomo-net.or.jp/   お東さんでした。やや京都寄りの大阪なのでやっぱりお寺さんは強力。関東人には理解できない・・・と思ったら「上に いきる という字が付く」と言われているのだから違和感は有るのだろう。ママの実家のお墓参りに行った際そこは日蓮宗だった。(ばくっと言えば、浄土真宗と真逆の思想)

 結婚すると信仰さえ捨てなきゃ成らんの?(常識だって?良心の問題だからかなり痛い)

 またこのぼーずがすっとこどっこいでいやがって、お葬式は嘆きの儀式だとゆーのに権威振りかざして偉そーに!お布施は吹っかけるし!てめえの商売の宣伝までしやがって!(ぜーはー)
葬儀屋さんが教えてくれる話の方がずーっと死の儀式やあの世を教えてくれたわぃ!(コレは土着信仰に元付くもの)葬儀屋さんには非常に良くして頂きました。ありがとう。です。
 
 挨拶を続けているうちに、私は「下の名前」しか言わなくなってしまった。そして「長男の嫁でございます」と言うようになる。言葉はメッセージだから伝わるように使わなければならなくて今回の場合自己主張は二の次であるので致し方ないのだが、この「嫁」という言葉がざっくり刺さる・・・。入籍していないからって、いい加減な奴だと思われたくないというのは大いにあって、出来る限り働いたつもり。お通夜の後、相方の従兄弟さんが「長男の嫁は急にくるのよ!私も長男の嫁だからー」と言ってくれた。
 リベラルとは言わないまでもインテリジェンス有る親戚方で、嫁イジメなんて概念さえなく、「お疲れでしょう?」と何度も労って頂いて非常に恐縮。通夜ぶるまいの席で何年ぶりかに再開した親戚同士が楽しそうに話しているのを見ると、相方の穏やかなメンタリティの基礎が分かる。アタシんちじゃ、すぐに喧嘩になるか、まさにお通夜で嫌なほど静かもしれない、そもそもこんなに人が集まらない・・・。
そうそう、関西の通夜ぶるまいは親戚だけなんですよ。(関東は着た人は一口でも食べていくのが礼儀)
 寝ずの番というのをした。相方と二人で。広い葬儀場1フロアあたしたちのもの。シャワールーム無かったのが残念。ずっと寝付き悪く寝起きよくだったので別に辛い訳じゃない。

 親族の焼香に際しては、名前を読み上げるのだ。これがまた。
 本名で呼んでもらった。本名ったって、私の名前は後にも先にもコレ一つなんだけど。ちょっと嬉しかった。

パパの頭蓋骨には接着のフィルムが付いていた。燃えないのだ。

 ママが着てくれた人に「これは通過地点ですから」と言った。巨大なファミリーツリーを見るに付け、コレをして輪廻というものが認識されていったのではないのかなーなどとふつふつと。

 翌日起きると頭が痛い。頭かと思ったら扁桃腺が爆裂しておって、それで耳が痛くって、それを頭痛と感じていたのだ。そんでもって。なんだかどえらく熱が有る。
 人生最高記録の40度をマーク。関節ミシミシでめたくた痛い。汗だくなんだけど、クーラーの風が痛い。バファリン飲みまくってコンビニ袋に保冷剤入れて頭にしいて、「いてー」とか「ちきしょー」とか叫んでやり過ごす。
 病院行ったら「午後まで辛かったら点滴うちましょう!」とおっさるので、根性で体温下げました現在38度。ふぅ。

 

 


 

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Comments

いつも自分の思いをうまく言葉で表現できるね。
読むたびに関心するのだ。

この問題は自分も最近経験したので
あれこれ思うことはあるのだ。
でもうまくまとめられないや・・・

のばぐさん、悲しい思いをされましたね。時間がきっと悲しみを癒してくれるでしょう。私もまだその途中です。

あきぞー、のばぐさんを大切にしてね。きっとこの先あきぞーが迎える悲しみを支えてくれると思います。カツオは私よりも先に両親を亡くしているのですが、今回私の父のことで心身ともに支えてくれました。夫婦?カップル?表現はいろいろあるけど・・・お互い支えあう気持ちが形式とか籍なんかより大切なんだと思います。

やっぱりうまく表現できないや。
ごめん。

Posted by: CON | 2006.08.16 12:35 AM

こんちゃんあんがと。
 でもね、コレが本当に自分の思いなのかは怪しいとこなんだよ。文章にして、人が見るのを前提で書くわけだから、本心をそのまま書くことは難しい。私は自分の気持ちに鈍感なところがあって、それを補完する為に書いているトコロもあり。書いたことで、それが呪詛になってしまうのにも気が付いていたりする(@_@)
 
 私は、嫁 とかそういう立場でなくて、相方のパパやママと関わりたいのです。「嫁だから○○」でなくて「こじまあきこの意志で」でありたいと思うの。これなら「嫁」の定義でモメないで済むしさ。
 のばぐは意外と立派なもんでして(まぁ見たまんまなトコロもあるわけだけど)支えるなんて自信は無いけど、応援をするのさ。おいら応援団長だから。喪失の悲しみは自分の周りの人達との関係を見つめなおすパワーをくれることにも気が付いたよ。グリーフワークはゼロかマイナスを固定する作業ではない。(@_@)ぐるぐる

Posted by: akizo | 2006.08.16 01:03 PM

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