君から聴く事
彼が抱えていた、つくりかけの帆船模型を捨てた。
事実婚した年に購入して、唐突にゴリゴリやっていた。新聞紙も引かずにやるから、床は木屑だらけで実に嫌なものだった。ただでさえ在宅時間が短いのに、その在宅時間の大半を仕事しているのに、さらに、それをゴリゴリやられてしまうと、何も出来なくなるので、私はそれがとても嫌だった。
それでも、模型屋のセンパイとして、プライマーの使い方やジェッソの使い方を教えてあげた記憶がある。
でも、いや、当然というべきか。
途中で飽きて止めてしまう。
後に、ダンボール2杯分の材料とゆーか残骸が残った。
失職している間に「オフネでも作ったら?」と言ってみたが、「仕事が見つかってから」とか「おふねいじると怒るから」とか言っていた。
繰り返し言われた、「私が怒るから、○○しない。」というロジックは、真綿で首絞めるような暴力だったな・・・今思うと。
ゴミ袋に叩き込んで、玄関先に出してきた。(回収されてなかったらどうしよう!)
別に気分晴れ晴れとなるわけでない。
なにがどう変わるわけではないが、なにをしてたんだろうね?と自問する材料としては優れている。
夢を見る、3割の確率でえげつない悪夢が混ざるが、たいていは、のばぐが出てきて、海の中とか、陸の上とかで、ぼんやり会話をしている・・・。こちらが一方的に話すことが多いが、なるべく聴きたいので、ヒトコトでも聴きたいので、傾聴を心がけるが、そうイイ台詞を吐いてくれるわけじゃない。
大概は、「○○デキない」というもの・・・分からないとか、今はできないとか・・・
おそらく、コレを、忘れるまで、夢でさえ出てこなくなるまで、聴き続けるのだろう。ここ数年、生ある時の彼からのメッセージもそうだった。奮起ではない、事実としての不可能を淡々と語り続けるのだろう・・・。そして、私は根拠のない、口先だけの応援をし続けるんだろう。ね。
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Comments
個性と言い切ってしまうとミモフタモ無いのだが、独特の趣味嗜好を備えた御仁であったことよのう。今となっては確かめようも無いけど、ホントに何を思ってらっしゃったことやら…ふむ。
Posted by: Benjamin | 2010.12.08 07:01 PM
ほんとに~、何をしたくて、どうあろうとしていたのか・・・、にわかに分からないです。あの方・・・。
で、全部捨てた~と思ったら、船、2コ出てきた・・・。
おそるべし(--)
Posted by: akizo | 2010.12.09 03:36 PM